”シニア人材・技術者 求人がアツイ!” ReKG(リケジィ)インタビュー Vol.5 林原 昭さん

シニア技術者人材の求人ニーズが高まっています。アクシスコンサルティングでは、シニア技術者人材のコミュニティ、チームReKG(リケジィ)を運営しています。
ここでは、チームReKG(リケジィ)のメンバーである、モノづくりフェローの方々をインタビュー形式で紹介していきます。

プロフィール

●お名前 林原 昭さん
●年齢 66歳(2017年2月時点)
●略歴 国内大手自動車メーカーで、IEを使った現場の生産性改善や生産管理系のシステム開発に従事。その後外資系自動車メーカーや、自動車部品メーカーで、販売や事業の立ち上げなど、ビジネスプロセス全体を経験し、品質保証にも深く関わることとなり、2016年から「未然防止」を主なテーマとした、専門コンサルタントとして独立。

「お客様商売とは何か」を教えられましたね。

― 林原さんは、技術コンサルタントとして独立しておられますが、新卒の時には、国内の自動車メーカーに入社され、生産技術、生産管理などに従事し、システムの開発にも関わっておられたのですね。

林原:はい。中でも、デイリーでのオーダーエントリーシステムを開発していたときは大変でした。なにしろ部品の発注タイミングをデイリーにして、部品在庫をゼロにしようとするものですから、当時としては画期的なしくみで、システム開発も5年がかりでした。今はジャスト・イン・タイム生産が主流ですが、当時はその先陣を切っていましたね。

― その後海外も経験されたのですね。

林原:オーストラリアの工場に派遣され、生産管理の専門家として、現地の生産管理を抜本的に見直すプロジェクトに取り組みました。当時は在庫も多く、日本とはまったく異なる環境でした。

― その後転職されたのですね。

林原:新卒で入社して15年ほどで、「外の世界を見てみたい」と思い、外資系の自動車メーカーに転職しました。当時の同僚はみんな「30代で転職するなんて信じられない」という感じでした。そんな時代でしたね。
外資系の自動車メーカーですから、販売・メンテナンスが主な事業になります。そこでも部品を見ていたのですが、メンテナンス用部品と製造用の部品は、部品そのものも、発注の仕方もまったく異なりますので、最初はいろいろと戸惑いました。

― 製造の世界からマーケティングや販売の事業領域も経験されたわけですね。

林原:そうですね。輸入代理店からの事業移管など、ビジネス的な交渉の中心的な役割をしていましたので、事業そのものを動かしていく、いい経験になりましたね。
その後、プラントエンジニアリング系の企業が、自動車部品市場に乗り出すということで、立ち上げメンバーとして加わりました。

― また製造の世界に戻ってきたのですね。

林原:でも新しい事業でしたから、「お客様商売とは何か」を教えられましたね。今までは大手の自動車完成品メーカーにいましたからラクをしていましたけれど、そこではお辞儀の仕方から学びなおしました。私は基本的に製造ですが、営業もしました。そこで一番学んだのは、「いかにお客様のニーズを、自分たちの得意な技術に転換するか」、わかりやすく言うと、「提案型ビジネスとは何か」です。

事故やトラブルをゼロにすることが目的です。そのために、まだ発生していない、将来のリスクに気づくことが重要になります。

― そのようなさまざまな経験を経て、昨年、「未然防止」を主なテーマに専門コンサルタントとして独立されたのですね。「未然防止」とは、どのようなものですか。

林原:まず目的ですが、将来のリスクに気づき、その対策を打ち、事故やトラブルをゼロにすることが目的です。そのために、まだ発生していない、将来のリスクに気づくことが重要になります。「未然防止」は事故だけが対象ではありません。通常の企業活動の中での失敗や顧客クレームなど、すべてのトラブルに当てはまります。企業の管理職の方に、未然防止の考え方を身につけていただき、それをマネジメントに生かしていただけるようにしたいです。でも、一番は、経営者に「未然防止」の重要性を理解していただきたいですね。

― 「未然防止」によって事故やトラブルをゼロにしていくための具体的な方法論はどのようなものですか。

林原:今度発表する著書にも詳しく書いていますが、具体的には3ステップあります。まずは、事故やトラブルが起こったときの緊急対応、そして再発防止対策、最後に未来のリスクに気づいて未然防止をします。再発防止対策だけでは不十分なのです。なぜなら、再発防止対策だけでは、同じ事故は防げても、新たに発生するかも知れない事故までは防げないからです。

― 「再発防止」と「未然防止」の違いをもう少し詳しく教えていただけますか。

林原:たとえば、食卓でソースと醤油を間違って使ってしまったとします。同じ間違いを犯さないためには、ソースと醤油の瓶にラベルを貼るなどの工夫をします。これは、「再発防止」です。今度は、「ソースと醤油の取り違い」という問題現象を、他の環境に置き換えて考えてみます。職場であれば、お客様情報の取り違い、医療現場であれば患者さんの取り違いになるかも知れません。
このように、ある問題現象について、ソースや醤油などの属性をいったん取り除いて「取り違える」という概念で一般化し、他の環境において、その環境特有の属性をつけてみます。食卓が職場という環境になれば、ソースや醤油が、顧客や製品になると言った具合に。そうすることで、将来のリスクをイメージすることができるのです。

未然防止教育は、これからのリーダーに必要な新しいスキルを育成するものと言えるかも知れません。

― 未然防止の考え方を組織や管理職に定着させていくためには、トレーニングなどを実施していくのですか。

林原:最初はまず理論を理解してもらい、次にその組織で実際に起こった事故やトラブルの事例を取り上げ、前述の方法で再発防止と未然防止を考えていきます。

― 未然防止の考え方は、製造業の現場だけでなく、ホワイトカラーの現場へも応用したいと考えておられるのですか。

林原:そうです。今回、書いている本も、ホワイトカラーの管理職を主な読者と考えています。未然防止は、事業価値を高めるための、もっとも効率の良い投資だと思っています。

― 林原さんのユニークなところは、製造業で培った品質管理、安全管理の手法を、そのまま製造業の現場に応用するだけでなく、あえて領域の違うホワイトカラーのマネジメントの分野に応用しようという、野心的なところですよね。

林原:今の時代、クレームや顧客トラブルは、企業経営を左右しかねないですから、重大事故の未然防止には投資をすべきですよね。一方で、これからの管理職には、将来のリスクを予測して、それに備える力も必要だと思っています。私が手がける、未然防止教育は、これからのリーダーに必要な新しいスキルを育成するものと言えるかも知れません。

― 最後に林原さんのモノづくりへの思いを聞かせてください。

林原:「現場」という言葉がありますが、私は、現場の「現」は、実現の「現」だと思っています。つまり、モノづくりを実現するために、人が協働し、創意工夫をする場所。ですから、現場が重要というのは、現場で働く人をリスペクトするということだと思っています。このリスペクトが、私のモノづくりの原点です。

― 林原さん、今日はどうもありがとうございした。

こちらでインタビューの映像もご覧になれます。


※林原昭さんが執筆した著作「なぜあなたはいつもトラブル処理に追われるのか: 再発防止だけでは不十分、リスクの気付きで未然防止」(合同フォレスト刊)が8月10日に発売になります。
※現在アマゾンで予約受付中です。(予約はこちらからどうぞ)

※林原昭さんが経営する未然防止研究所のHPはこちら

2017年2月
インタビュアー:チームReKG(リケジィ) ファシリテーター ナレッジサイン 吉岡英幸

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